フェリカスピコのスマホレッスン

スマホの写真教室

2017/02/14

教室のこと

2月8日は久しぶりにスマートフォンやタブレットを使った料理写真教室でした。

 

場所は定例で教室を開催させていただいている表参道のクラブエスタショップさん。こちらのお店のトップの写真も撮影させていただいているので、お時間があるときにご覧いただければ幸いです。

 

さて、教室のお話。

いつもだいたい1ヶ月前くらいから各教室の予約を開始するのですが、とりわけこの教室は満席になるのが早かった気がします。日頃教室をやっていると、参加者の方々が持ってこられるカメラでカメラの流行がわかるような気にもなるのですが、ここ最近はハイエンドの一眼レフを持ってくる方が増えている反面で、コンパクトデジカメ率がすごい勢いで減っていると感じます。

教室は表参道のクラブエスタショップで行いました。

教室は表参道のクラブエスタショップで行いました。撮影:石田紀彦

 

では、そのコンパクトデジカメを持っていた人たちは、カメラを持つことやめたのかというと、そうではないと思うのです。もちろん一眼レフなどにレベルアップをする人もいると思うのですが、それ以上に、自分が持っているスマホにカメラをまとめてしまったという方が増えたのではないでしょうか。だからこそ、教室の予約が埋まるのが早かった。

これは当日私がiPhoneで撮影したもの。実は教室のために、朝早く起きてチキンを焼いているんです(笑)

教室のモチーフは、どシンプル。たくさんスタリングしすぎると、参加された方が真似できなくなるので、あえて複雑にしていません。

 

今回行われたスマートフォンの料理写真教室では、「おいしいかわいい料理写真の撮り方」をテキストに使いました。こちらは昨年秋に発売された新刊ですが、まさに4つ目の章にスマホを使った料理写真の撮り方についても書いておりますので、ちょうどよいのです。流れは、まず座学、次に実践撮影、最後にInstagramを使って編集作業というものです。Instagramを使う理由は、単に私が気に入っているからというのもありますが、画像を編集するアプリは数多くある中で、メニューの量も多すぎず、写真をよくしてくれる効果が大きく、かつ使い方が簡単という理由があります。スマホ写真のコツなどで寄稿するときに、オススメのアプリを聞かれることがありますが、色々ダウンロードしてみるものの、結局Instagramは丁度良いと常々感じています。一番は「メニューの量も多すぎず」というのが大事にしているところで、いろいろ写真をこねくり回せる、面白いアプリもありますが、そんなことしてるくらいだったらパソコンでPhotoshopつかってやったら?という疑問が出てくるのし、あくまでスマホで撮るわけだから、スマホ内で簡潔に手軽に済ませるためには、「メニューの量も多すぎず」というのが大事だと思うのです。

これから実際に撮影をしていただきます。

これから実際に撮影をしていただきます。撮影:石田紀彦

 

写真撮影の実技の時間は、30分くらいになり、座学でやったことを元に様々なパターンで撮影してもらえるように、こちらでモチーフを用意しております。逆光、斜光、斜俯瞰、真俯瞰、暗い写真、明るい写真。。Instagramで加工はできるけど、どんな不味そうに撮れた写真でもよくしてくれる道具ではありません。やはり撮影のときにやらねばならないこともあり、撮影でできることと、撮影後の加工でできることは分けて考えます。これは、カメラをつかったときも一緒で、不味そうに撮れた写真は、どんなにPhotoshopでいじっても、美味そうには復活しないのです。画像処理ソフトはなんでもしてくれる魔法の道具ではないのだと、教室はお伝えしています。

撮影後の写真と、それをInstagramで加工した写真。

撮影後の写真と、それをInstagramで加工した写真。

 

上の写真は以前撮影した我が家の朝食です。加工前と後では全然違うのがわかります。撮影はiPhone、加工はInstagram。こういうのを見ると、「インスタすげー!」という声が聞こえてきそうです。

昨日はPhotoshopのレタッチの教室があったのですが、一番大事なのは、自分が写真をどうしたいかという目標を持つことだと私は伝えています。よくある質問で「どこまで加工するのが正解かわからなくなる。」なんていう意見があるのですが、数学のように写真作りに正解はなく、正解は自分で最初に決めて、そこを目指して色々な道具を使って写真を作るという作業をするのだと私は思っています。ですので、スマホやInstagramはその道具にすぎず、最も大事なのは立派なカメラでも、スマホであっても撮影者自身が明確なビジョンを撮影前に作るということだと、私は常々感じていますし、喉が枯れるほどそれを強く教室で伝えています。

なんてことを言うと、「なんて厳しい教室だ!」と思われてしまいますが、効果のないことを夢物語のように言いたくないというのが私のモットーでもあり、今後も不定期にスマホの教室は要望がある限り続けていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。

 

About Us

日本大学芸術学部卒業後、2003年に独立。広告、書籍、雑誌、web、などで撮影活動中。2011年に、フードフォト専門の写真教室「フェリカスピコ」を設立し、約4000人の受講者がいる。

Apple Store表参道、渋谷ヒカリエのイベント内でのレッスンも。「マツコ&有吉の怒り新党」(テレビ朝日)、「Rの法則」(NHK)などメディア出演も多数。
> 料理専門の写真教室 フェリカスピコ

Instagram