比較の結果 (長文)

2017/12/16

カメラ

昨日書いたブログについて結果発表です。

facebookでこのブログをシェアしたところ、実にたくさんの方々からご意見を頂戴し45人の方にコメントをいただきました。

最近、facebookって見られているのかな〜?Instagramばっかりかな〜?なんて思っていたけど、こうやってコミニケーションが取れると情報発信している意味があるなーとつくづく感じました。皆様本当にご協力いただきありがとうございました!!

で結果は・・・ジャン!
A(FUJIFILM) 23票 B(Carl Zeiss) 22票

C(Carl Zeiss) 21票 D(FUJIFILM) 22票

E(Carl Zeiss) 16票 F(FUJIFILM) 28票

 

でした。

割と僅差!EとFは特に差が開きましたね。

この写真の違いは何なのかといいますと、レンズが異なり、そえぞれのレンズで撮り比べたものでした。
カメラは私の愛機のFUJIFILMのGFX50S。それにつけたレンズが違い

一方はFUJIFILM純正のFUJINON GF 120mm F4 R LM OIS

もう一方は昔のCONTAX645のレンズ、Carl Zeiss Apo-Makro-Planar T* 120mm F4です。

いずれも中望遠のマクロレンズで、お料理の撮影では重宝します。例えばEOS kissでいうところの60mm マクロと同じような画角です。

とっても親切で良心的なお店でした。

若松河田駅のCONTAX専門の極楽堂さん。とっても親切で良心的なお店でした。

なんでこんなことを聞いたのかというと、話は短いようで長いのですが、以前のブログでご紹介したCONTAX645のレンズが使えるようになるというfringerというマウントアダプターがあり、私はそのCONTAX645用のレンズについて、ラインナップや性能を調べていました。現行のレンズより安いので、揃えやすくなんといっても世間的に評判のあるCarl Zeissレンズなので、なんとなく惹かれるものがあったのです。そう「なんとなく」。。で、発見したのが先述の「Apo-Makro-Planar T* 120mm F4」というレンズ。すでに同じ焦点距離のレンズをFUJIFILMの純正で120mmは持っていたので、これはいらないかと選択肢から外していたのですが、いろいろ調べるうちに、このレンズは特に別格扱いになっていることに気がつきました。CONTAX645用のレンズで唯一、設計上の都合で写りを優先させて敢えてマニュアルフォーカスにしたとどこかのサイトに書いてありました。さらにApoという名のつくものは色収差を抑えるレンズを使用しており値段が高いとも。それに加えて、「さすが」とか「伝説の」とか結構持ち上げて書かれているので正直一旦選択肢から外したものの、気になっちゃってしょうがなくなってしまったのです(笑)。

AがFUJIFILM、BがCarl Zeiss

A=FUJIFILM 23票    B=Carl Zeiss 22票

でもさきほど「なんとなく」と書きましたが、正直Carl Zeissの良さって私にとってはなんとなくではっきりきっぱり「良い!」と思ったことがなくそれを確かめに上の写真の若松河田のCONTAX専門の中古カメラ屋「極楽堂」さんへ行ってきました。私の著書の「もっとおいしく撮れる!お料理写真10のコツ」の版元の青春出版が近くにあり久しぶりにこのあたりを通りました。お店はこじんまりとしていますが、CONTAXの製品が所狭しと並んでおり、到着し訳を話してレンズの撮り比べをさせてくださいとお願いしたらご快諾いただきました。しかも、湯飲みに緑茶まで出してくれて、なんてあったかいカメラ屋だ〜と感動しました。お店の方には「Carl Zeissって何がいいのですか?」と単刀直入に聞いてみました。すると「何というか絵を書く時にアウトラインを引いてから絵の具を塗るのではなくて、いきなり絵の具で絵を書き始めてしまうような絵画的なニュアンスがあるんです。Nikonは描写性を求めてよりシャープにレンズを作ろうとしているみたいですが、それとは違う方向なんです」と言われました。よく「ボケが柔らかい」と聞きますが、それがそれなのか?と謎が深まりちょっと動揺しました。あと「赤の発色がいい」ということも教えていただきました。

CがCarl Zeiss、DがFUJIFILM

C=Carl Zeiss 21票    D=FUJIFILM 22票

でも撮ってみなくちゃ分からないと、お店の方に自前のものと、商品棚にあるもので同じ被写体を撮ってみてもいいですか?と尋ねたところ「もちろんです、よかったら外に行ってもいいですよ」なんて気さくに答えてくださいました。そのまま私がトンズラしたらどうするのかと思いましたが、親切な方に不安を与えてはいけないと、必要な道具だけ持ち出して自分のカメラバックはお店においていきました。それで、いくつか撮影してみたのですが、正直その違いは微妙すぎて「よし!買おう!やっぱ伝説!」なんて思えなく、その場で決断することはできませんでした。この日は、前に購入した違う焦点距離のレンズフード(結構レア)だけ2つ購入してお店をあとにしました。それから家に帰って見返してみたけど、やっぱりよくわからなく、でもなんとなく多分諦められなかったのは、惹きつけられるものも感じていたのでしょう、その後撮った写真を家族やお会いした方に「どっちが気に入りますか?」と聞いていました。私が大学生のころ同級生でとても写真がうまい男子がいたのですが、彼はハッセルブラッドという中判カメラを所持しておりレンズはCarl Zeissで、とっても憧れていました。ハッセルを使うからなのか、レンズがCarl Zeissだからなのか何となく雰囲気があり、モノクロにした時にふわっと溶け込むような質感になっていたのは今でも忘れられません。そういう道具の持つ「雰囲気」というものも確かにあると思いますし、それを身にまとってみたいという欲望があり、買おうかどうかウジウジしていたのだと思います。

EがCarl Zeiss、FがFUJIFILM

E=Carl Zeiss 16票    F=FUJIFILM 28票

facebookの反応も同じでしたが、意見は人それぞれ、正直どっちつかずでした。そこで思ったのが、二つのことなのですが、まずは「Carl Zeissだからって目に見えて極端にすごいってわけじゃないんだな」ということ、それから「15年以上前のレンズにも関わらず、現行とそんな感想が変わらないのもある意味すごい。」ということでした。細かくみてみると、解像度は現行のFUJIFILMの方がいいです。これは断言できます。拡大した時のシャープさが違います。でもCarl Zeissは絞りを開放にした時に周辺露光の低下が見受けられず、明るさが均一でした。改めて写真をよく見るとFUJIFILMのレンズで撮った写真は周りが若干暗いのがわかります。AとBではレンガが、CとDでは右上のPCが、EとFでも右の壁、葉の明度が異なります。もしかしたら、これはもともとCarl Zeissのレンズが645という今のGFX50Sのセンサーより大きなブローニーフィルム用のレンズで写るべきところを使っていないからだからかもしれません。

解像度の指標になるMTF曲線

解像度の指標になるMTF曲線

「なんとなく」は嫌なので、それぞれのレンズのデータもwebサイトで探して見てみました。そんなに詳しいわけではありませんが、解像度やコントラストの判断材料になるMTF曲線というものがあり、それを見比べてみるとフジフィルムは昔のCarl Zeissのレンズよりコントラストがよく、高解像度でした。それが今の技術ということでしょうか。Photoshopで図を重ねてXとY軸の長さを合わせてみましたが、今のレンズは優秀です。別でNIkonとCanonの中望遠マクロのMTF曲線を見てみましたが、グラフの中ではFUJIFILMは好成績でした。花の写真を撮った時には花自体の立体感と色のグラデーションがAの方があると感じたのですが、それはFUJIFILMの方がコントラストがよく抜けがよかったということなのかもしれません。

結構違いがあるのがわかります。

結構違いがあるのがわかります。

拡大するとこれだけ違うのですが、では、果たして単にシャープであればレンズは優れているのでしょうか?
記号を教えてくださいとお願いしていたのに、理由まで書いてくださって、私は嬉しかったのですが、今回多くの方に様々なご意見をいただいてわかったのは写真を見る時には見ているポイントが人それぞれ同じではないということです。

もともと世間で言われていたCarl Zeissの柔らかいボケというのを感じている人もいれば、逆の印象を受けている感じの人もいます。これは先にレンズのことを話していたら出てこなかった感想かもしれません。私は正直な意見を伺いたかったので、詳しいバックグランドは以前のブログではお伝えしませんでした。数字で言えば今回は3枚とも全てFUJIFILMのレンズで撮った写真の方が好きだという人が多かった結果になりました。でもとは言えCarl Zeissが支持されてないわけではありません。数字でいうなら55%がFUJIFILM、45%がCarl Zeissになったわけです。うん、これも微妙です。

私が思った感想は

・必ず、絶対いいというものはない。

・仕事においてはシャープに写る方が支持されそう

・シャープではない曖昧さにも美しさを感じることがある

・極楽堂の店員さんは絵の具に例えたけれど、画家が絵の具や筆を変えて表現を変えるように、撮っている側が何を表現したいかでレンズを変えてみるのもいいのかも。

・世間的に高評価だから、値段が高いからといって良いと思わなくてもいい。

・ものには数値やグラフでは表せない良さがある

・新しいレンズはわかりづらいけど発展している

・極楽堂はいい店だ〜

ということでした。

さて、私このレンズ買いますか?うーん。買うかも〜。
仕事ではシャープに写るFUJIFILMは必要だと思います。だから絶対手放しませんが、作品的に撮る時に手段の一つとしてあってもいいかもと思いました。時期にFUJIFILMのGFX50Sのレンジファインダー版が出るという噂があります。いままで高くて手が出なかった人もそれを持つようになれば、ますますオールドレンズの需要も高まってくるかもしれません。今はお値段も落ち着いているそうです。高くなる前に先手を打っておくかな(笑)。

※追記です。

最短撮影距離が違いました。

最短撮影距離が違いました。

ブログを書いた日に極楽堂に行って買ってしまったのですが、撮ってみたら最短の撮影距離がだいぶ異なりました。
なんとCarl Zeissの方がクローズアップできる。恥かしながら見逃していたポイントですが、これは新しい武器を手にいれた感じです。

ラッキー!

−以下皆さんのご意見です。ありがとうございました−

A(fuji)には

花弁の厚さとふわっとそこにある毛のやわらかさを感じたからです。

鮮やかな色合い

ハイライトがしっかり出ていてメリハリがあるのが好きです。

AはBよりレンガの線が濃く、メインの花より気になるというか、主張してくると感じたのでBの方が好きです

色味

花びらのフリルがなめらか

B(zeizz)には

お花だからなんか柔らかいほうがいいかな〜

花びらのマゼンタ色が際立っているから

Bの方がボケ感が好きです

Bの方がみずみずしい

色味が鮮やか

手前の葉っぱがくっきりしてるところ

ボケが柔らかい感じがします

やさしい空気を感じた

ボケすぎ

C(zeizz)には

被写体がパッキリ写ったほうが良さそうなので

ガラスの瓶についてはシャープさが欲しいのでわりと質感が感じられる

Cの方が、瓶?ガラスの質感が好きです

実験器具と言うことで明る過ぎない方が信用が高い

ハイライトがしっかり出ていてメリハリがあるのが好きです

キラキラ感

花弁の厚さとふわっとそこにある毛のやわらかさを感じたからです

ボケが柔らかい感じがします

色が黄ばんでる感じ
D(fuji)には

ボトルが主人公とハッキリ感じ、背景のボケがやさしい

蓋に輝きがあるから

キャップの色が綺麗に出ているのと、アルコールに透明感を感じる、美しい

Dは左上の白い角状のモノ(PCのデスクトップ?)の色が濃くてCより主張している気がする

蓋の色の赤さがクリアー

ガラスの透明感を感じて好きになりました

光がはっきりしながらまろみがある

やさしい空気を感じた

E(zeizz)には

木と背景の店舗のハッキリしたコントラストが好きだから

Eの方がどっしり重厚な感じが出てよいと思う

看板文字が暗くて深い感じが良いと思いました

その商店街の歴史を感じる雰囲気で好きです

若松商店会の文字の白地が明るくて読みやすいと感じました

ボケが柔らかい感じがします

やさしい空気を感じた

F(fuji)には

優しく感じたので。

背景のボケ方と光の取り込み具合がやさしくて素敵

背景のボケ感に透明感があって好み

Fの方が、文字スッキリしていて好きです

町が明るいイメージ

ハイライトがしっかり出ていてメリハリがあるのが好きです

安心の文字が見えた方がしっくりきます

文字のクッキリ感

風情感が出ている気がする

白飛び

About Us

日本大学芸術学部卒業後、2003年に独立。広告、書籍、雑誌、web、などで撮影活動中。2011年に、フードフォト専門の写真教室「フェリカスピコ」を設立し、約4000人の受講者がいる。

Apple Store表参道、渋谷ヒカリエのイベント内でのレッスンも。「マツコ&有吉の怒り新党」(テレビ朝日)、「Rの法則」(NHK)などメディア出演も多数。
> 料理専門の写真教室 フェリカスピコ

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