シュトレンを撮ってみた

2017/11/19

技術

フェリカスピコの佐藤です。

私の著書の「もっとおいしく撮れる!お料理写真10のコツ」(青春出版)「おいしいかわいい料理写真の撮り方」(イカロス出版)でお世話になっている「Pâtisserie Abloom」というスイーツ店があります。お世話になっているというのも、本の中で被写体として写っているケーキの写真はほとんどこちらの朝倉シェフが作ってくださったものなのです。偶然なのか必然なのか、我が家からは歩いて10秒ほどで、毎度色々なシーンで助けていただいています。朝倉シェフはお店を構える前はパークハイアット東京やザ・ペニンシュラ東京で修行をされてきました。話せば話すほど熱い職人で、人としても尊敬できる方なのです。

2017年のクリスマスケーキの撮影をさせていただきました。

2017年のクリスマスケーキの撮影をいたしました。

で、その大好きなPâtisserie Abloomの朝倉さんに今年はクリスマスケーキの撮影を依頼していただきました。とても光栄なことで、家から10秒ということもあり、お店が閉まった後にひっそりとお店のみなさんで撮影をしました。

こんな時間の撮影は珍しい

これは夜10時くらいかな。こんな時間の撮影は珍しいけどやる気でいっぱいでした。

アーティスティックにというより、お客さんが選びやすいようにわかりやすさを重視して、一目で良さが伝わる角度、あまりボカしすぎず、美味しそうにを目指して撮りました。その後、撮影したデータはケーキの予約をするチラシになり、私なりのサービスで2枚上の写真のように少しデザインをして店頭に置けるA3ノビのポスターも勝手に作らせていただきました。お店に来た人がポスターを見て「あっクリスマスケーキの予約はじめたんだ」と思っていただき、チラシを手にする。そんな流れができればバッチリなのですが。

その日の最後に

そして、撮影日の最後に

お礼にと、一つ美人のシュトレンをいただきました。これは、もちろんお礼返しに撮影しなければと時間が空いた今日色々考えてカメラを手にしました。初めはまず、Pinterestを見て、みんなどんな写真を撮っているのかなと研究しました。でも、見ていて感じたのは、結局は断面を見せたいので少しスライスしたものを添えて塊と一緒に写真を撮るというのがほとんどで代わり映えのしないものでもありました。ならば、あえてスライスせずに撮ってみるのもいいのではと朝倉シェフには許可をいただき粉糖をふるシーンを絵にしてみました。

粉糖で奮闘

粉糖で奮闘

撮影は一筋縄ではいかず、なかなか良いタイミングで粉糖がふりかかりませんでした。写真はセルフタイマーで一人で撮影。いいぞと思うまで、何度もやり直しました。光源はストロボ。背景はデニムのエプロン。下地はフォトデザインボードのベルベットブルーを使用しています。クリスマスらしさを演出するためにちょこっとオーナメントを置きました。

撮影シーンはこんな感じ。引きで見るとちょっと情けない感じです(笑)

撮影シーンはこんな感じ。引きで見るとちょっと情けない感じです(笑)。撮影:次女

シュトレンの下の網と、粉糖をふるためのふるいは以前大阪で開催したイベントで買わせてもらったたまプラーザにあるAntik Retourさんのアンティークの道具を使用しています。いずれも写真映えするかわいい子で、ふるいはこんな日のためにデビューするタミングを考えていました。

よい写真にするためには良い役者が必要です。

よい写真にするためには良い役者が必要です。

シュトレンも、フォトデザインボードも、アンティークの品々もフェリカスピコの日々の活動の中で出会えた素敵なものばかり。たとえ仕事で疲れていても、役者がそろえば撮ってみたいという意欲とファイトが自然と湧いてきます。

ライティングは超シンプル

ライティングは超シンプル

壁に反射させたサイド光一発です。壁との距離をあまり持たせずに少し硬めにしたのはあえてのこと。暗めの写真にはメリハリが必要でただ暗いだけでは単に「暗い写真だね」という感想を持たれてしまうので、少しコントラストは高めでいくのが自分なりのコツ。ストロボをどこに置くかは経験による感覚でもあります。

これまた情けないけど見せてしまいます。

これまた情けないけど見せてしまいます。

これがあれになるんだから写真って嘘つきと言われてもしかたないですよね(笑)。こんな狭い空間でもいろいろな絵が撮れていまうのは撮り手としては面白いところなんです。頭に思い浮かべた結果にするために何をすべきかを考えるアプローチの時間が面倒でもあり、実はなによりやりがいのある時間でもあります。

カメラはFUJIFILMのGFX50S

カメラはFUJIFILMのGFX50S

セルフタイマーで撮るにしたったって、手元がどんな風に写っているのかは自分で粉糖をふるいながらファインダーを覗くことは不可能なので、ここはテクノロジーを駆使してFUJIFILMのワイヤレス通信を使いました。これはGFX50Sに限らず、X-A3をはじめとしたFUJIFILMのエントリーモデルでもできる超便利機能で、最近は真上からの撮影時にiPhoneやiPadでどんな風に写っているのかを確かめながら撮影をしています。

iPhoneの画面を見て

iPhoneの画面を見ながら

手や体の位置を調整し、ワイヤレスでありながら2秒、10秒のセルフタイマーにもできるので、赤丸のシャターボタンを押して、10秒待ち、今だ!というシャッターが切れる直前に粉糖をフリフリしました。細かくフリフリフリフリ〜!撮ったのは13枚。粉糖がパサーっとなているところを目指して粘りました。最後はいいなと思えるカットをフォトショップでRAW現像して、さらにちょっとクセや文字を加えてレタッチをしました。

戦いの跡

お片づけは大変でしたが、流しでフォトデザインボードを刷毛はらい、さらに落ちきれない粉糖はお風呂場で流して乾拭きしてきれいにしていきました。あらためて気がついたのは、フォトデザインボードが水洗いしても大丈夫という点です。これはヘビーユーザーにはすごいありがたいことでもありました。

さて、フェリカスピコの基礎の教室は11月25日がラストです。

こちらは神楽坂で10時〜13時に開催いたします。あと3席ほど空きがあるので午後のスタイリング教室とご一緒にぜひご参加ください。お会いしてお話すべき技術がたくさんあります。

About Us

日本大学芸術学部卒業後、2003年に独立。広告、書籍、雑誌、web、などで撮影活動中。2011年に、フードフォト専門の写真教室「フェリカスピコ」を設立し、約4000人の受講者がいる。

Apple Store表参道、渋谷ヒカリエのイベント内でのレッスンも。「マツコ&有吉の怒り新党」(テレビ朝日)、「Rの法則」(NHK)などメディア出演も多数。
> 料理専門の写真教室 フェリカスピコ

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