年賀状撮影話

2018/01/02

技術

あけましておめでとうございます。
料理写真教室フェリカスピコの佐藤です。
平成30年となりました。本年も撮影、教室共に全力投球で参りますのでどうぞよろしくお願い申し上げます。さて、本年最初のブログは年賀状について。
トップの写真は今年の年賀状の写真です。いつも共通の理念がありまして、嫌味のない家族写真ということで家族を被写体に写真撮影をしています。写真であることは私がカメラマンなのでもちろんなのですが、それを作品として捉えられるようなものを作ろうをテーマにやっております。

ちなみに2016、2017年の年賀状はこちら

ちなみに2016、2017年の年賀状はこちら

左の2016年は雪景色をミニチュアで作り、そこに別撮りした子供たちを合成させています。2017年はドローンで撮影、そこに妻が描いたイラストを載せています。衣装からデザインまで私一人だけの力ではなく、家族一丸となって挑んでおります。お仕事の関係もあり、年々刷る枚数は増えていて、今年は300枚を郵便局に出しました。実はまだまだ作り終えていないので、あと100枚くらいはこれから書きます(汗)。。

元々考案していた年賀状のラフ画

元々考案していた年賀状のラフ画

年賀状の作成はいつもバタバタで12月に撮影と印刷をします。だいたい10月ごろになるとそわそわしてきます。いつも撮影現場や教室に行くのに車の中でなんとなくアイディアを考案しておいて、それを思いついた時に絵で描いたりしています。今年はiPadがあったので、それにスラスラと雑に描いてみました。人に見せるものではありませんが、もともとは書道ガールみたいに賀正と描いた大きな紙の両端に巨大な筆と墨樹が入ったバケツを持った娘たちが立っており、戌年なので、愛犬をちょこんと立たせて見ようかなんて考えていました。ところが考え出したらじゃあ筆どうするの?とか、紙は?文字誰が書くの?とか書道ガールみたいな袴はどこで買っていくらするの??という疑問と面倒な作業とコストがかかることが浮き彫りになったので、残念ながら割と早めの段階でこの案は廃案となりました。

いつものどかな三宝寺池

いつものどかな三宝寺池

で、それがダメとなれば代案を考えなければなりません。なんとなく自分の頭の中ではやってみたいことが一つあり、ハリーポッターの様なファンタジーな雰囲気で「暗闇」「光」「灯火」というのをテーマに今ある道具と環境を使って撮ってみようかなと考えたのでした。これについてのラフ画はなく、頭で思っていたことを家族に伝えて、即実行となったわけです。ロケ地は地元の石神井公園で、時間は暗闇なので夜。

まずは家で練習

まずは家で練習

と、本番に行く前に、まずはこれからやろうとしていることが上手くいくのか家でテスト撮影をしてみました。自宅には大きな鳥籠のオブジェがあり、そこにストロボを入れ、ストロボが見えないようにユポという紙を鳥籠の内側に張りました。それを遠隔で操作しシャッターを押した時に発光できるようにしておきます。ユポを入れたのは目隠しのためだけでなく、光が柔らかくなって子供たちの顔に当たった時にフワッとした光の印象にしたかったからというのもあります。まあテストは成功しました。あとは衣装に着替えて実際にロケ地に行って本番です。

三宝寺池周辺の湿地帯は市民の憩いの場です。

三宝寺池周辺の湿地帯は市民の憩いの場です。

あとで語りますが、これが撮影場所。お昼間は写真のようにとても美しい場所なのですが、夜は人通りもなく不気味なのでは?とビビっていました。昔、自分が高校生ぐらいの時は確か石神井公園でおやじ狩りがあったというニュースがあったかと思います。夜の公園でどんななんでしょう。あ、そうだワニもいましたね(笑)

やっぱり不気味でした・・

チーン、やっぱり不気味でした・・

その昔、戦いの最中この三宝寺池に身を沈めた父の豊島泰経を追って身を投げた照姫というお姫様がいた伝説もあり、完全に次女はビクビクしていました。それは多分みんな同じ気持ちだったと思います(笑)。暗闇から不思議な鳴き声が聞こえてきたり、ベンチで浮浪者が一人寝ていたり、なぜか女性が一人で散歩していたり、狸みたいな小動物が遠くからこちらをじっと見ていたり。。何かに襲われたら三脚で戦おうと覚悟していました(笑)。

到着。

撮影場所に

到着しました。相変わらず不気味です。それで、到着後はここで直ぐに2度目のテストをしました。三脚を添えてカメラをセット。露出を合わせて、ストロボを発光させるところまでやりました。冬でとても寒いので、娘たちにはダウンを着てスタンバイしてもらい、最後に登場してもらいます。

まずはテスト撮影

こんな感じにテスト。

この時のカメラはFUJIFILMのGFX50Sに以前ブログで書いたCONTAX 645 の45-90mmレンズをつけました。ストロボはcactusのクリップオンタイプでライティングの教室で紹介しているものと一緒です。

用意ができたら本番

用意ができたら本番

後ろに街灯がありましたが、それは体でうまく隠しました。街灯があったおかげで背景の林の様子が暗く潰れずにすみました。ストロボの光だけでなく、シャッタースピードを遅くして地明かりをプラスしながら撮っております。写真がブレないのは三脚があるから。露出を少しずつ変えて明るいのと暗いのと両方撮影しておきました。左の樹に小さく光る白いものがあるのは木の名前が書いたプレートが反射してしまったものです。これは避けきれなかったのであとでフォトショップで消しました。

冷静に見れば綺麗なものです

冷静に見れば綺麗なものです

撮影後に改て池だけ撮影してみましたが、夜の公園も乙なものです。街灯があるので、星はそれほど写りませんが見た目よりもずっと星が輝いてみえます。

こんどは星ねらいで

こんどは星ねらいで

場所を少しだけ移して、街灯が少ない場所へ行って、星をメインに撮影してみました。東京でこれだけ撮れたら素晴らしいものですね。天体写真の世界ではよく光害という言葉を使いますが、もっと暗闇だったらきっともっとよい写真が撮れるんでしょうね〜。

道を一本挟んでお隣にある石神井池

道を一本挟んでお隣にある石神井池

だんだんこなれてきたところで、最後に一枚。石神井池も撮ってみました。夜中にいったのは初めてでしたが、これもまたいいなと感じました。夏にはこちらで灯籠流しも行なっているので、そういった風景もここから撮れるといいかもしれません。

帰宅後は即レタッチ

帰宅後は即レタッチ

そして、はやく取りかかねば年内に出すことが難しかったので、速攻で仕上げ作業に入りました。教室でもPhotoshopを使ったレタッチの教室を開催しておりますが、RAW現像で色を調整、その後いくつかレイヤーを重ねて、文字を入れて、ハガキサイズのベースに写真を載せて住所などを打ち込み印刷会社に納品をしました。手前の煙のようなものは撮影時にはなかったのでPhotoshopで加えています。また上の空は元のデータの明るさを引き上げて写ったものを出しています。樹々の葉が本当は紅葉しているのに青いのも色の処理によるものです。全体が明るくすぎず、どこで撮っているのかが想像でき、人物に目線が行くようにというのを目標に仕上げの作業をしました。

年賀状

鳥籠を持ち上げてもらったのは、光る籠が空の上から降りてきたのをキャッチしたというイメージでと娘たちにはポーズをお願いしました。お父さんがカメラマンだから大変な思いをさせてしまっていますが、こういう時、結構しっかり演じてくれるのにはとても助かっています。政治や紛争など暗いニュースの絶えない世の中で、私もこの娘たちが大きくなった時にどんな世の中になっているのか不安でたまりません。でもそんな時に他人任せではなく、自分たちで希望の光を探し、見つけ出して欲しいという思いで絵作りをしていきました。壮大すぎて年賀状らしからぬ写真になってしまいまったところはやや反省しつつ、来年度はもう少し明るく元気一杯の写真が撮れればと思っております。さあ、今年もいよいよ始まりました!2018年もどうぞよろしくお願いいたします!!

あ、ちなみに宛名面の切手部分は我が愛犬のノンちゃん。戌年ということで出演していただきました〜

あ、ちなみに宛名面の切手部分は我が愛犬のノンちゃん。戌年ということで出演していただきました〜

About Us

日本大学芸術学部卒業後、2003年に独立。広告、書籍、雑誌、web、などで撮影活動中。2011年に、フードフォト専門の写真教室「フェリカスピコ」を設立し、約4000人の受講者がいる。

Apple Store表参道、渋谷ヒカリエのイベント内でのレッスンも。「マツコ&有吉の怒り新党」(テレビ朝日)、「Rの法則」(NHK)などメディア出演も多数。
> 料理専門の写真教室 フェリカスピコ

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